2011/11/16

もういっちょ

マンガを。

こちらも知らぬ間に出ていた「ウチの妻ってどうでしょう?4巻(双葉社)」福光しげゆき著 です。
いやぁ〜、ほんと面白いですこの人。

はじめて見たのはアックスでした。
「なんか字がいっぱい書いてあるマンガだな〜」ってのが最初の印象でした。
しかし、その絵柄になんとなく興味を持ち購入したのが「僕の小規模な失敗」でした。

実話を元に描かれているのですが、福光さんはとても客観的に自分や社会を偏った目線で見ています。
そこがとても面白いです。
状況の認識の仕方は客観的なのに、折り合いのつけ方が非常に偏っているんです。
異常な人の振りをする、頭のおかしい人です。

話を「ウチの妻ってどうでしょう?」に戻しますが、今巻も卑屈さや嫉妬や邪推にまみれています。
が、福光さんは惜しげも無く、本来であれば言わずに隠しておくような事まで開けっぴろげに言い放ちます。
本来の趣旨である「妻自慢」なんてそっちのけです。

でも面白い。
古本のエロ本を集める事が唯一の趣味だった話や、ストーカー殺人をニヒルな目線で「女も悪い」と言ってしまう人の批判、芸能人のコネや七光り批判…

あげればキリが無いですが、↑こんな話をマンガで読んでも普通は面白くないんです。
でも、面白い。

自虐とナルシズム、客観と主観、邪推と純真、相反するものがなぜか両立した、独り言エンターテイメントです。

こんな面白くつまらないマンガは読んだ事が無いので、すごい才能だと思います。