2013/09/22

福島に行った2

とにもかくにも、バイクである。
そして、私のバイクはスピードが出ないので下道をひたすらである。

とは言ったものの、天気は良く、素敵な、快適なドライブだった。

途中で発見した変な名前の店などを写真に撮ったり、コンビニで美味しい飲むヨーグルトを買って休憩したり、持ち前のよそ見癖で事故一触即発になったり。


ただ、前もって調べてはいたのだけれど、どうやら今回使う6号線は途中から通行止めになってるっぽいというのが気がかりではあった。


しばらくバイクで進むと、少し街並や風景に変化が出てきた。
道ばたで何か作業をしている人たちがとても増えてきていたのだ。

その時に寄ったコンビニの近くにあった看板だ。


初めて見る、除染作業だった。
「除染」という言葉は何度も聞いていたが、初めて目の当たりにした。
色々な場所で、もの凄い数の人たちがマスクをして作業をしている。
そして、除染する事で出てきた廃棄物が、それこそ色々な場所に堆く積まれていた。
学校の敷地内や、使われなくなった警察署の駐車場や、畑のあぜ道にまでそれは積まれていた。


そんな風景を横目にバイクを進めると、潰れたスーパーがあった。


広い駐車場には、踏みしめる車が来ないのをいい事に雑草が生い茂っていた。
休みの日などはたくさんの車が並び、人々が行き交っていたのだと思うと、何とも言えない感情に包まれた。

そしてそこからしばらく進むと、やはり通行止めが待っていた。
10人くらいのガードマンや警察官などがいて、通行証のある車両以外通れないとのことだ。
確かに、治安や放射能の事を考えれば仕方のない事だろうが、そこに辿り着くまでの間にも相当数のパトカーや警官がおり、そのあまりの物々しさに恐怖すら覚えた。

先には進めないのでそこでUターンをして、通行止めの場所から5分程の場所にある商店街に行った。
とは言っても、あくまでも元商店街だ。


大きい規模の商店街ではないが、様々なお店があり、震災前はそこに住む方々の大切な場所であったであろう事は容易に想像がついた。
ところが今やその通りには住民は誰もおらず、除染をする作業員達が黙々と作業を続ける風景があるだけだった。

ひび割れや陥没した道路などはもちろんその時のままだし、実際は震災ではなく、もしかしたら心ない人間達が忍び込んだ為に壊された店舗なのかもしれないが、それも壊れた状態のまま放置されていた。


初めて見る、廃墟と化した凄まじい光景。
人々はおらず、いるのは除染作業者と、尋常でない数の警察官。
そして、自分が住む街よりも当然高いであろう放射線。
正直、その場にいるだけで息を吸い込む事さえ怖くなってきてしまった。
本当はもっと色々な場所に行って状況を目に焼け付けてきたかったのだけれど、それも出来ず商店街を後にした。

一部しか見れていませんが、自分が見てきた福島はこういった状況でした。


そして、福島を見てきて、原子力に対して個人的に思った事。
よくテレビやネットでは「電力が足りてる、足りてない」という事や「雇用の問題」「アメリカとの関係」「原発の輸出」などが出てきますが、そんな事はどうでもいいし関係がないと思いました。

何よりも問題なのは、まだ人間は放射能や核廃棄物をコントロールする術を持っていないのに原子力を使っているという事です。
住む場所を奪い、時には命さえも奪う放射能。
そんなものを使わなければならない程、切迫はしていないはずです。
どう考えたって原子力を使うのは時期尚早。
どんな背景があろうと、生活や命と引き換えの、過剰な電気なんていりません。

と、いう事です。
色々な意見があるとは思いますが、自分はそう思いました。


長くなりましたが、しめに入ります。
今回福島に行くにあたって、google mapで事前にルートを調べました。
高速などは使わないルートで「280km」ほどでした。

そこで以前、その時も下道で行ったのですが「富山」に行った時の事が思い起こされます。
富山までは「340km」、今回は「280km」。
余裕じゃん、と。
しかし、ここ↑に大きなミスがありました。

福島からの帰り道の、半分くらいを過ぎたあたりでの休憩中に「なんかスゲー疲れたんだけど、なんでだ?富山より近いのに…」と思った瞬間、信じられない事に気づいたのです。

「富山は日帰りで行ったんじゃない!一泊してるんだ!」

です。
なんか「事件は会議室で〜」みたいな言い方だな。

ようするに今回は日帰りだから…
「280kmX往復=1日560kmコース」じゃねーかよ!
1日の走行量は、ぜんぜん富山(340km)より多いじゃねーかよ!
ファッキュー!

調べてみたら560kmって「姫路」とか「秋田」とか付近まで行けんじゃんか!
それなのに俺ってやつは、コンビニで3〜4回しか休憩してねぇぞ!
そりゃ疲れんの当たり前だろが!

でした♡